無駄にしたくない時間。
担当代わった保健師さんに伝えたこと
一つ目は、ダウン症の親の会を復活させようかと言うこと、
そして、もう一つ、
「ダウン症だとわかって、一番辛く乗り越えなければならない時間、告知や、出産後の時間、不安と恐怖で毎日が泣き明かしていたあの日々、現実を乗り越えるための、辛い時間をママや家族まかせにしてはいけない」ということ。
私が保健師から電話をうけ、新生児訪問の話になったとき、私は電話口で、平静を装うことが必死だった。泣かないで電話を切るだけで精一杯だった。
でも、実際は告知を控え、毎日、涙していた。
保健師からの電話は、乳幼児訪問の電話だったが、手術を来月に控えていることを伝えると、「手術が終わって落ち着いたら、伺います」と言われた。私は「はい」と答えるしかなかった。
あー、自分で泣くだけ泣いて乗り越えるしかないのか…と肩を落としたのを覚えている。
「その時期を、乗り越えるために同じ境遇の方の言葉がどれだけ支えになるか、前を向く力をくれるか。辛い思いを共有することで、和らぐ痛みもある。」と、伝えた。
先日再会した、高校の後輩は今の私と同じ思いで保健センターに「ダウン症を、迎えた家族がおられたら、連絡ください。私の番号を伝えて。」と、電話等の連絡先を伝えていた。にも関わらず、その情報は保健センターでストップしていた。
「保健センターはあてにならないと言う話を、ダウンちゃんのママ友のなかでは出されています。でも、それではダメです。後輩も私も、同じように考えました。
私たちは、運よく家族や友人に支えられ、乗り越えることができたけど、そうではない人もいる。当事者だから出来ることをさせて欲しい。連絡先を、そのママやご家族に伝えてください」と。
あつかましいのは、十分承知している。
でも、生身の人間が、同じ経験をして、あなたの近くで生活している、そのことだけでも知らせて、わずかでも励みなればと思う。
あの日、地獄だと思って泣いた時間を、少しでも短く出来たら…と。