先入観という足かせ
これまでの人生で、養護学校とか支援学校というものに関わったことがなかった。
そういう場所とは、無縁の人生だと思っていた。
もちろん、リハの学校に行ってた頃は実習生として小児の施設に行ったことはあったが、そこにいたのは、無知で学ぶ立場の学生としての自分だった。
先日、文化祭があると聞いて、人生で初めて支援学校に行ってみることにした。
正直、行ったこともないのに、自分の中に勝手に支援学校のイメージを作り上げていた。
薄暗くて、重い雰囲気で、どこか寂しい場所。
そういったところだろうか…
生まれた次男が、ダウン症と聞かされたとき、この先の人生が暗く重い将来に思えた。
それと同じイメージだった。
実際、足を踏み入れてみて、施設の木造の暖かさと明るさ、どこか楽しげな雰囲気の教室…
ダウン症の息子を育てていくなかで、消え去ったダウン症への先入観。
同じように、支援学校への先入観も消えていった。なぜ、あの薄暗くて寂しいイメージを持っていたのかと、不思議なくらいだ。
先入観は足かせだ。
二階のフロアで「いらっしゃいませ」と出迎えてくれた学生さん。ダウン症の女の子だった。
すらりとしていて、細身で、そして、堂々とお客さんの対応をしていた。
「あ…。私、あなたに会えて良かった。ありがとう。」と、心の中でつぶやいた。
足かせを一つずつ外していかなきゃな。