告知から、一歩前へ
あの日
夫婦で、お互い「大丈夫?」と声を掛け合いながら待合室で時間を過ごしました。
医師からの告知の瞬間と言うのは、意外とあっけないものでした。
いつもの診察のあと こうくんの服を整えるのを、私がしていましたが、この日だけは違いました。
看護師さんが「お母さん、私がしますから、先生のお話を。」と変わってくれました。
心の中で
「あ、やっぱりだったか」と悟らざるを得ませんでした。
医師から画像を提示され、「21番目が3つ。21トリソミーです。」と。
小児科医と言うのは、親御さんを前に、こうやって細心の配慮をしながら慎重に言葉を選び、そして告知する。
私はこの時、告知されるより、告知をする方の先生方の気持ちはどんなんだろう?と、そんなことを考えていました。
告知されたあとは、不思議なことに、主人も私もスッキリとした気持ちでした。よくわかりませんが、モヤモヤとしたものが、クリアに見えたことで、スッキリした感じです。
涙は出ませんでした。
帰り道 立ち寄ったショッピングモールで、
こうくんを抱き上げたとき「あー。あったかい。このまま、あったかいままでいてね。」と思ったのを覚えています。