出生前診断によせる思い
妊娠中に、夫婦で、あるドキュメンタリーを見ました。
出生前診断結果、赤ちゃんに染色体異常の可能性があると宣告された二組の夫婦とその家族。
一組の家族は、赤ちゃんにさよならを。
もう一組の家族は、赤ちゃんを家族にむかえたという内容。
たくさんの葛藤と、苦悩。そして、それぞれの答えを探し続ける夫婦の姿でした。
この時、ドキュメンタリーを見終えた私達夫婦で交わした言葉を、今も覚えています。
出生前診断は、赤ちゃんのためのものだよね。赤ちゃんが、「お母さんに抱っこしてもらいたいんだけど、ちょっと準備が必要だから、ママお願いね。」のメッセージじゃないかな。命の選別に使っちゃだめだよね。
でした。
私は出生前検査をせず、ダウン症のこうくんを授かりました。この子を生んで、あのときの意見が変わったかどうか?
答えは、NOです。
私は、こうくんに会えて良かったと思っています。
確かに、出産後の混乱の中、パニックになり自分の子として育てて行くこと自体、否定した時期もありました。もしかしたら、また、やっぱり生まなきゃ良かったって思う日がくるかもしれません。
でも今は、こうくんと一緒にいたいとおもいます。失うことの方がはるかに怖いです。
出生前検査については、賛否両論あるとおもいます。家族の形がみなそれぞれ異なるように、子どもを迎え入れる環境も、生むかどうかの判断も異なって当然だとおもいます。
命の重み。
何が良くて、何が悪いかなんて、答えはどこにもない気がします。